債権者であるF銀クレジットなどの三者にこちらが提示した買い取り価格が四千五百万円。むこうの言い値は依然として七千万円である。これをどうくつがえしていくかがポイントだ。ここで、ちょっと競売について説明しておかなくてはならない。じつは、競売にまつわる最近の事情こそが、物件を安く手にいれるかっこうの条件になってくれているのだ。債権者が抵当としてとっている物件を競売するとき、どれくらいの時間がかかるとお思いだろうか?競売は裁判所の管轄である。
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融資の返済が滞ったら、債権者側はまず裁判所に申請して担保物件を差し押さえてもらう。それから、裁判所の指示にしたがって競売にふすわけだが、これが、現在の裁判所の事務レベルでは、一年半から二年はかかってしまう。貸し付けてある残債は八千万円。二年のうちには、遅延損害金や、事務コストもかかるし、利息も膨らむ。一年であっても、八千万円の融資なら、債権者側に八百万円の損が出るのである。仮に一年半で誰かが落札してくれると仮定してもその時点では千二百万円が経済的な口スとして割れこんでしまうわけだ。まあ、もっとおおざっぱに計算しても、ソフトハウスの社長が払っていた利息は、年七パーセントだったから、これだけで年間五百六十万円。H協会が金利を減免してくれたとしても、他の二社の金利を考えて四百万円。一年半なら六百万円のマイナスがでる。