住宅政策の平等・不平等

2011.09.30

「帰属家賃」が非課税とされる一方で、借家住まいの人には「家賃の支払いに充てる分の給料には税金を掛けない」という話はありません。「フジ三太郎がなぜ可哀そうなのか?」としばらく考えてみると、持ち家の人は自宅に住んでいる限り「帰属家賃」には課税されないのに、借家住まいの人は家賃に充てる分の給料にも税金を掛けられている、少なくともその部分については「フジ三太郎は、可哀そうなのではないか?」と思ったのでしょう。ただしこれも、先ほどの「貯蓄の二重課税」の問題を考えると、話は変わってきます。自宅に住んでいる人も、自分の家を買うのに使うお金は税金を払った後の所得ですので、「所得に1回は課税される」という点では、持ち家の人もフジ三太郎も同じだということです。住宅ローンを組んで自宅を購入した場合でも、その返済は税引き後の所得から行ないますので同じことです。しかし、所得税に対する「ローン控除」などが入ってくると、話はさらに複雑になります。もちろん本当にフジ三太郎一家が可哀そうな1番の理由は、大家さんは自分の家に加えてアパートを建てる土地(とお金)も持っているのに、フジ三太郎一家は自分の住む家さえ持てないことです。しかもそのフジ三太郎(持たざる者)が、大家さん夫婦(持てる者)に家賃を払って、少なくとも部分的には「扶養」している。その理不尽さが、この話の本質なのです。現状における私有財産の制度を基本的な前提にしても、その他の制度や政策によって、その不平等を緩和することもできる一方で、不公平や不平などが拡大する場合もあります。なかでも財政(税制)と金融制度が、大きな問題になってきます。

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