誰でも、お昼の一時頃のレストランで、「いっぱいです」と断られたことがあるでしょう。多くの店が混んでいると、「早く見つけなければ」と焦って、次なる店を必死に探します。ところが、一三時を過ぎれば、多くの店がガラガラに空きます。不動産も同じような現象を繰り返してきました。第五次マンションブームとか第六次マンションブームなど、マスコミはにぎやかに報道しました。「ブーム」という言葉が使われるときには、需要が高まり、それにつれて住宅や土地の価格も上昇します。
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これからも限りなくこの『ブーム』が続くと感じがちです。しかし、不動産市場の過去の動きを見ると、『ブーム』はいつも一過性のもので、その終焉はあっけないものです。一三時を過ぎたレストランの状況にそっくりになります。そして、後から考えると「あれは『バブル』だった」ということがわかるのです。「まだまだいける」と高値で仕入れた不動産も、ほんの直前までは、買い手が殺倒して思いのほか高く売却できたのが、ある瞬間から、値段を下げても買い手がまったく現れないという状況になります。一九九四年頃から始まった新築住宅、特に新築マンションのブームは、超低全利政策のもとで十年以上もの長い間続いてきました。二十一世紀に入ると、地価反転に伴う価格の上昇がありながら、新築マンションが売れ続けたため、マンションデベロッパーの一部は、さらなる地価上昇を予想して、すでに開発済みの新築物件の発売を先延ばしにするという販売方針をとったのです。いわゆる「売り惜しみ」です。売り惜しみの結果、売り出しをかけたときは、タイミングがはずれ大量の完成在庫を手元に抱える破目になりました。ファンドも同じ失敗をしています。